「就活」の物語と作品紹介

TORANOANA BLOG

「六人の嘘つきな大学生」(朝倉秋成著・角川書店)と言う小説を読みました。「就活」をテーマにしたミステリー風の物語。数千人もの中から選ばれ、とある企業の最終面接に残ったとても優秀な六人の大学生が、とある事件をきっかけに次々と隠していた本性を露わにしていく…超ざっくりですが、そんな感じのストーリーです。

物語の構成がすごくよくできていて、読み終わるまでに何度も「認識の大転換」が起こります。当然この人が◯◯だと思い込んでいたら、実は全然違っていて…というような「仕掛け」が見事。さらに素晴らしいのはその仕掛け自体がこの物語のテーマと深く結びついていて、また同時に現代への鋭い批判になっているということ。

噛み砕いて言うと、私たちは人間のウワベや、一側面的な情報で人のことを良くも悪くも理解したつもりになりがちだけど、それは大きな間違いですよ、ということを物語を通じてこれでもかというくらい追体験させてくれます。

週刊誌やらSNSやらで、とある人の悪い噂が流されて、それを読んだ誰かがまるで全てを知ってるかのようにその人を批判、中傷しまくる。そんな光景をよく目にします。だけどその噂の背景にはまずその噂を流した人の思惑があり、流された人の人格、事情、環境などなど、簡単には想像が及ばないほど複雑な背景があったりする。だから、こういう読書体験を通じて、安易に人を批判する前に「もしかしたら自分の事情があるのかも」と思えるようになったら素晴らしいと思うし、そういう疑似体験からのフィードバックこそが読書の価値だと思うのです。

まあ難しいことは置いておくとしても、ミステリーとしてすごく面白いので、まずはぜひ読んでみてほしいです!読んでくださった方がいらっしゃったら、ぜひ感想をお聞きしたいです^^*

せっかく就活がらみの話題なので、最後に私が以前描いた就活関係のイラストを載せておきますね。クラウドワークスでの「就活、転職イメージイラスト」の依頼の提案用に描いたものです。タッチを変えながら数パターン制作して提案しました。

2021.12 転職・就活イメージイラスト①
2021.12 転職・就活イメージイラスト②
2021.12 転職・就活イメージイラスト③

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